The protective effct of hepatocyte growth-promoting factor pHGF
原著論文
The-protective-effct-of-hepatocyte-growth-promoting-factor(pHGF)against hydrogen peroxide-induced acute lung injury in rats
Xiao-Lan Liu/Shigeru Sato/Wei Dai/Nobuaki Yamanaka
Med Electrom Microsc(2001)34:92-102
Key words: Hydrogen peroxide, pHGF, Lung injury, Morphology
論文紹介
新型コロナウイルス感染症に対する特効薬はなく、肺炎を起こし重篤になると急性呼吸困窮症候群(ARDS)や敗血症になり死に至る。従来用いられているタミフルやアビガンなどの抗ウイルス薬あるいはぜんそく薬のシクレソニドが新型肺炎の切り札になるのではと考えられている。しかしながら、抗コロナウイルス薬が出来ることを強く望んでいる現状です。
肺炎からARDSに至る病態としては、肺の毛細血管障害および内腔への好中球の集簇や局所的な血液凝固、肺水腫などが主なのである。また、好中球より放出される活性酸素は感染症を促進して肺の細胞がアポトーシスを引き起こして細胞死する。このARDSを保護するものとして肝細胞増殖因子の基礎実験がある。用いられてものは肝細胞増殖促進因子(hepatocyte growth-promoting factor; pHGF)である。中国では肝炎の薬として多くの臨床症例が知られている。過酸化水素をラット尾静脈から注入するとARDSが起きる。このARDSの発症を内皮細胞傷害、アポトーシスあるいは肺水腫をpHGFが抑制した。この事は、pHGFが新型コロナウイルス感染患者に対して重篤な状態を回避できる薬として使用出来る可能性が多いにあると考えた。
この中国のpHGFを使わなくても、HGF単体で使用する方法がある。また、間葉系幹細胞の上清液内には肝細胞増殖因子や内皮細胞増殖因子あるいは抗炎症作用を持つサイトカインが多数含んでいる。この間葉系幹細胞の上清液を肺静脈に投与する方法も新型コロナウイルス感染症患者に対して効果がある考えた。