健康長寿医学としての男性医学

概論

健康長寿医学としての男性医学

熊本 悦明

WAARM Journal, 2019; 2: 1–10

Key words: テストステロン,SF36,元気ホルモン,男の生理

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一般的に医師に自分の健康問題を相談すると,ほ とんどの場合,どんな症状がありますかという質問 紙(「心」と「体」の問題症状についての質問)に 答え,点数化されて判定されるのが一般的で(AMS や熊本式質問紙など)です. しかし,もう少し詳しく健康度をチェックする方 法として,日本ではまだあまり普及していないので すが,国際的な健康度判定委員会で提案している “SF36”質問紙があります. 詳しい説明はやや専門的になるので割愛しますが, 今や,健康とは「心」と「体」,「生活行動活性」の 3つの因子の元気さ評価を行わなければならなくなっ てきております.現在,一般的に行われている検査 法は,普通「心」と「体」の問題のみで,第三の生 活行動活性であるやる気・生活行動活性力を調べる 健康度項目がないので,問題があります.ことに, 加齢により発症する40~50歳代の更年期や還暦を 過ぎた熟年期の方々の“生活力・やる気”を判定す る項目が,医学的には,国際的にWHOでも必須と され始めているのです.現在一般的な医師方が使っ ている質問紙はかなり欠陥がある訳です. その SF36は,①身体機能,②日常身体役割機能, ③体の痛み,④心の健康,⑤日常精神的役割機能, ⑥社会生活機能,⑦全体的健康度,⑧活力の8項目 に関する質問回答をコンピュータで分析し,円形グ ラフ化する方法です.質問紙記入に15分,分析に 約30分で,かなり詳しい分析が図1及び図6に示 したようなグラフが出来るのです.その答えを,円 グラフ化する方法が,今進んだ健康度判定法とされ ています.

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